鶏びあ
雄鶏と雌鶏の肉質の違いとは？
私たちが普段からよく食べている鶏には、雄の雄鶏（おんどり）と雌の雌鶏（めんどり）が存在します。
もちろん、これらの鶏にはいくつかの違いがあり、味や肉質に関しても異なる部分があります。ここからは、具体的にどのような違いがあるのかについて解説したいと思います。
雄鶏の概要
雄鶏は雄の鶏のことをいい、一般的に雌鶏と比べて身体が大きく、尾が長いという特徴を持っています。
英語では“Rooster”と訳され、その他にも雄であることを意味する“Male”を用いたり、鶏の一家をペットとして飼育している場合には、お父さん鶏という意味で“Dad”と言ったりすることもあります。
また、ヒヨコの頃は、ほとんど雌鶏との区別がつきません。
朝になると「コケコッコー」という雄叫びをあげ、同じ雄鶏同士で縄張り争いをする習性があり、子育てには参加しないことが多いです。そして、雄鶏は雌鶏とは違い、卵を産むことができません。
雌鶏の概要
雌鶏は雌の鶏であり、雄鶏と比べて若干小柄で、尾が短いという特徴を持っています。
英語では“Hen”といいますが、雄鶏と同様、メスであることを表す“Female”、お母さん鶏であることを表す“Mom”と呼ばれることもあります。
雌鶏は卵を産むため、黄身ができる卵巣と、黄身の周りに白身をつけ、最後に殻をつくる卵管をもっています。また、雌鶏は1日に何個も卵を産んでいると思われがちですが、実際は1日につきおよそ1個の卵しか産むことができません。こちらは、1つの卵が完成するまでに、約24～25時間かかることが理由です。
卵をあまり産まなくなった年をとった雌鶏の肉は、硬いもののうま味が強いことから、肉団子やハンバーグ、ハム、レトルト食品、スープなどの加工食品に利用されることが多いです。
雄鶏と雌鶏の味、肉質の違いについて
普通のブロイラーの場合、飼育日数は40～50日程度です。これくらいの短い飼育日数の場合、雄鶏と雌鶏の味や肉質にはそれほど差が出ません。
一方、地鶏や銘柄鶏のように120日ほど飼育された鶏の場合は、雄鶏は雄鶏らしく、雌鶏は雌鶏らしくなり、味や肉質に大きな違いが出ます。
雄鶏は比較的筋肉質であるため、焼くことで身が引き締まり、噛めば噛むほどにうま味がしみ出てきます。また、歯ごたえがあり、肉の味が濃厚であることも特徴です。
一方、雌鶏は皮と身の間に脂肪がしっかりとついているため、雄鶏よりもプリッと柔らかく、脂が乗ってジューシーな味わいを持っています。
ふ化したばかりのヒヨコの性別を見分ける方法
ふ化したばかりのヒヨコが雄鶏なのか、雌鶏なのか見分ける方法はいくつかあります。
1つは、翼の羽を確認する方法です。
ふ化したばかりのヒヨコは体毛に覆われていますが、翼の緑には軽い羽が生えています。
羽を確認するには、片手でヒヨコをしっかりとつかみ、反対の手で翼を広げ、羽が見えるように身体からある程度離します。
このとき、羽の長さがほぼ均一なのが雄鶏、羽の長さが2種類なのが雌鶏です。
また、もう1つは、羽毛の色を確認する方法です。
ふ化後6週間を過ぎるまで、ヒヨコの身体は産毛のようにフワフワした短い羽で覆われています。
一般的に雄鶏は頭部の色が淡く、雌鶏は頭部が濃い茶色になっている場合もあります。
ブロイラー、銘柄鶏における雄鶏と雌鶏の成長について
ブロイラーは、おおよそ7～8週齢で飼育期間を終了し、体重が2.6kg前後のとき、食肉となる食肉専用種の実用鶏です。
肥育効率の良い系統間交雑種で、父系種には白色コーニッシュが、母系種には白色プリマスロックが多く用いられています。
銘柄鶏は、ブロイラーにハーブや特殊なエサを与えたり、飼育期間を長くしたもので、肉のうま味を求める消費者のニーズに応えた高級鶏として販売されています。
また、ブロイラーは大型であると同時に、体重の増加がとても早く、雄鶏の場合4週齢で1kgを超え、6週齢では2kg、8週齢では3kgとなります。
しかし、雌鶏はそれよりも成長が遅く、同じ体重になるのに1週間くらいの差があります。
一方、銘柄鶏は一般的に成長が遅いこと、肉のうま味や適度な歯ごたえが求められることなどから、90～150日齢（13～22週齢）に食すことが多く、体重は雄鶏が2～4kg、雌鶏が1.5～3kgと、個体差の幅が広くなっています。
